牛の快適性を考えて牛舍を新築

摘要

内田牧場は、利光さんの曾祖父が昭和初期に現在地に入植し、野菜を生産しながら、堆肥を得るため2-3頭の乳牛を飼い始めた。祖父義雄さん(84)が1961年に12頭牛舎を建てて野菜作と酪農の複合経営に、そして義ーさんが78年に50頭牛舎に増築して酪農専業にかじを切った。義ーさんは、75年に結婚したよね子さん(58)と共に作業に当たり、86年に夫婦の夢だった母屋を新築。翌年には育成牛舎も建てた。義一さんが所属する函南東部農協は、82年から消費者団体の依頼を受け低温殺菌牛乳の製造を始め、義一さんも5年ほどしてからその原料乳を供給する丹那低温部会の一員となり、ノンgmo、ポストハーベストフリーの飼料を与え、細菌数の少ない高品質乳を生産してきた。「牛舎を清潔に保ち、搾乳手順を徹底して、乳質向上に努めた」と義ーさん。その努力の分、会員にはプレミアム乳価が支払われる。毎年、同会では消費者団体と交流会を開いており、義一さんは「酪農の現状を知ってもらうとともに、消費者の二ーズを聞き、それに合った牛乳をつくつていくことが大切」と強調する。