低蛋白質飼育·褥瘡モデルラットを用いたし-アルギニンおよびし-グルタミン混合物の経口投与による褥療治癒促進効果

摘要

L- アルギニンおよびL-グルタミンは，いずれも成長ホルモンの分泌促進作用や免疫賦活作用が知られており，さらにL-アルギニンでは創傷治癒効果, L-グルタミンでは胃粘膜や口腔粘膜などの消化管の機能改善効果が報告されている。いずれも生体内で生合成されるため非必須アミノ酸であるが,とくにL-グルタミンは筋肉などに多く含まれており，激しい運動後や病気のような異化時に消耗することが知られていことから「異化時の必須アミノ酸」ともいわれ，医薬品や食品素材として広く用いられているアミノ酸である。本研究では，低蛋白質飼料飼育ラットの褥瘡モデルを用いて，L-アルギニンおよびL-グルタミンを含有する試験食を経口投与し，褥瘡治癒促進作用を検討した。あわせて，L- アルギニンのみを含有する試験食の作用と比較し，L-アルギニンとL-グルタミン併用による褥瘡治癒促進効果の検証を試みた。