力ルペリチド(ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド)の急性腎不全に対する有効性と安全性の検討-多施設共同前向き臨床試験-

摘要

カルペリチドは，わが国で遺伝子組換え技術を用いて製造，開発されたalpha型ヒト心房性ナトリウム利尿ぺプナト(alpha-human atrial natriuretic peptide, a-hANP)である。カルペリチドは，血管平滑筋細胞の心房性ナトリゥム利尿べプチド（atrial natriuretic peptide, ANP)受容体に結合し，膜結合性グァニル酸シクラーゼを活性化し，環状グァノシン3' ， 5'-一リン酸産生を亢進させることにより血管拡張作用を発現し，腎動脈血流量および糸球体濾過率(glomerular filtration rate, GFR)を増加させることなどにより利尿作用を発現する。この血管拡張作用と利尿作用をあわせもつことで，心臓の前負荷および後負荷を軽減する心不全治療薬として1995年に急性心不全（慢性心不全の急性増悪期を含む）の適応を受けている。