下流アプローチ:トランスセオレティカル·モデル(TTM)

摘要

今回からは、具体的な行動変容の理論やモデルを紹介しましょう。 行動変容という用語を聞くと、昔からよく知っている人は「ああ、行動療法か」と言います。 部分的には正しいのですが、正確には行動変容イコール行動療法ではありません。 行動療法は、もともとbehavior modificationという用語で表現されるように、行動理論（学習理論）を基にして発展し、臨床心理場面だけでなく、現在では健康行動にも適用されています。 しかし近年、欧米を中心とした健康行動の分野では、後述するトランスセオレテイカル·モデル（TTM）の適用が優勢になってきており、TTMで使用されるbehavior changeという用語が行動変容全般の上位概念として定着してきました。そのため、本稿で述べる行動変容は、行動療法の考え方も含めてbehavior changeを意味すると考えてください。