ATL発症患者の病態進展で認められる血清中可溶性タンパク質（sCD30とsiL-2R)濃度の推移

摘要

成人T細胞白血病（ATL)治療において，その急性転化 を予測し，早期に治療方針を決定することは非常に重要で ある。我々は，急性転化した2症例の血清中可溶性CD30 (SCD30)値および可溶性インタ一ロイキン-2受容体(sIL-2R)値をモニタリングし，臨床的急性転化の2-3週間前 にSCD30値とsiし2R値が上昇したことを確認した。両症 例とも急性転化後，早期に治療を開始できたため寛解状態 となった。既存のATL病態マ一力一であるsに-2Rだけでな く， SCD30はATLの急性転化を早期に把握できる有用な マ一力一となる可能性が示唆された。これら血清タンパク質 を経時的に測定することにより，慢性期の治療法から急性 転化時の治療法への変更や，その治療開始時期といった治 療方針を決定することが出来る。