日立120kV透過電子顕微鏡H－7500用試料自動検索システム

摘要

電子顕微鏡（以下電顕と略す）は，医学生物学分野の研究において細胞の微細構造や様々な生体高分子の超微形態観察のほか，Ⅹ線分析装置を付属させ，試料の微小部分析などに広く利用されている。また最近では，CCDカメラを鏡体に組み込み，リアルタイムでの電顕像の観察やデジタル画像化によるLAN対応など，パソコンその他周辺機器との連携により情報ツールの一→端として，その利用範囲の拡大が図られている。日立120kVH－7500透過電顕（図1）は，Windows~Rを搭載した最新のCPU制御電顕で，操作性をより向上させるための工夫やコンピュータを活用した数多くの機能が装備されている。本編の前半は，これらの機能のいくつかを紹介したい。 ところで，電顕で試料を観察，撮影する時は，当然のことながらグリッドに載せた広汎な視野の中から目的の試料を探さなければならない。 これは非常に時間のかかるもので，電顕作業の大半がこれに当てられる。 我々は電顕にかかる一連の試料検索作業の効率向上を図り，その自動化を目的として透過電顕本体とTVカメラならびに画像処理装置を組み合わせた試料自動検索システムを開発した。 本システムの概要と応用例については本編の後半で述べたい。