牛ウイルス性下痢ウイルス持続感染牛の導入による同ウイルスの農場内伝播

摘要

牛ウイルス性下痢ウイルス（BVDV）の主要な感染源はウイルスを排泄し続けるPI牛であり、清浄化にはPI牛の除去が最も効果的である。本報告では、PI牛を導入した1感受性農場におけるBVDV伝播とその後の清浄化策について述べる。搾乳牛約70頭の酪農家で、2005年3月20日に北海道から初妊牛6頭を導入した後、6頭の流産（胎齢5～7か月）が発生した。後述の検査により導入牛1頭がBVDVのPI牛であることが明らかとなった。清浄化のため導入牛および既存の牛について、周辺農場のPI牛存否確認を目的にバルク乳について、ウイルス学的に検索した。