目で見る統計平成一一六年(二〇一四)木材閬連統計レビュー

摘要

平成一一六年は国産材の動向に大きな変化が表れた年だ。林野庁が国産材は今までの育成期から利用期に入つたとして、国産材の需要拡大を施策の大きな柱として打ち出しているが、こういつた供給要因だけでなく、為替円安の進展といつた経済競争原則上でも国産材に有利な状況があらわれたことが急速に原材料の国産材化を進める結果につながった。木材関連の各種需給統計から昨年に現れた国産材化の動きをまとめてみた。昨年の製材用素材の需給は、輸入材が為替円安の影響を受け大きく後退する中で、国産材のシェアーアップが端的に表れる結果となっている。昨年の製材用素材の入荷量は全体では、一六、六六七千。m~3で前年比一一.四%減となった。新設住宅着工戸数が前年比九,〇％の減少となっているだけに製材用素材消費も前年を下回る需要水準とはなっているが、住宅の減少分がそのまま素材需要の減少に繫がらなかったのは国産材の需要が前年比三.〇％の増加を見せたためだ。これに対して輸入材はというと、米材が一四三％減、NZ材がー五.〇％減、ロシァ材も二三. 一％減と揃って二桁の減少となっている。これらはひとえに為替円安の急伸から、輸入材のコストが押し上げられ、国産材に需要が流れた結果といえるようだ。これによつて昨年の製材用素材に占める国産材の割合は七三,九％と前年を三.九"押し上げる結果となつている。