コールドスプレー,ウォームスプレー,高速フレーム溶射における粒子速度に関する普遍的な法則

摘要

CS，WS，HVOFのように，超音速流を用いる溶射法に携わる技術者·研究者が最も注目する特性の1つは，ガス圧力，ノズル形状，粉末（材料の種類，平均粒子直径）などの溶射条件を与えたときに得られる粒子速度である．溶射粒子の速度は，粒子画像流速測定法など，レーザを用いた非接触の計測法で測定することが可能である．しかし，種々の溶射パラメータの全ての組み合わせに対して粒子速度を測定するには多くの時間と費用がかかり，非効率的である．そこで，粒子速度に関する普遍的な法則が存在すれば，それを用いて実験パラメータを減らす等の効率化が期待できる．本研究では，任意の溶射材料（密度）について，溶射粒子の速度履歴が同じになるような粒子直径を与える普遍的な法則について考察する．研究の手法としては，一次元解析を用いる．対象とする溶射法は，大気中に超音速流を噴射するCS，WSおよびHVOF溶射とし，特に溶射ガンから出た後の噴流中の粒子速度に着目する．