子牛の呼吸器疾患に対する長期マクロラィド療法の優位性

摘要

近年，マクロライドは静菌作用よりも抗炎症， 気道粘液輸送改善，抗緑膿菌ぉよび抗ノヾィオフィ ルム作用などの新作用が注目されている.特にヒ トのぴまん性肺炎に対して殺菌性抗生物質と併用 した低用量マクロライド長期療法が院内感染肺炎 患者の生存率改善に寄与している.マクロライ ドは，ヒト医療においてびまん性汎細気管支炎(DPB)に対して少量長期療法の有用性が報告 されている.この有効性の機序としてエリスロマ イシンやクラリスロマイシンなどの14員環，さら にはァジスロマイシンなどのは員環マクロライド 系薬が「静菌作用」の他に抗炎症作用や抗菌作用 以外の抗微生物作用を示すことによる（表1). これをマクロライドの新作用という.今回，慢性 かつ重度の呼吸器疾患牛5頭に長期マク口ライド 療法を行い，身体一般検査と画像所見を指標にそ の有効性を評価した.