(102)大口径孔を有する薄板軽量形鋼のせん断座屈耐力に関する研究

摘要

薄板軽量形鋼は，厚さ2.3mm 未満の鋼材が用いられるスチールハウスの構造材として使用される部材である．現在，「薄板軽量形鋼造建築物設計の手引き1)（以下，手引きと言う）」においては，薄板軽量形鋼の梁に開口を設ける場合の開口せいはウェブせいの1/3 以下に抑えることが望ましいとされている．よってスチールハウスの横架材として使用頻度の高い梁せい184mm，235mm の部材にはそれぞれ開口せい約60mm，80mm の開口までしか設けることしか出来ない．しかし，スプリンクラーの配管を通すには80 ~ 90mm，排水用配管に勾配をつけて設置するためには約120mmの開口を設けることが必要であり，現在の手引きの規定では推奨されていない範囲となる．そこで，本研究では加工性の高い薄板の特徴を活かし，図1 に示すように，開口部に曲げ加工のひとつである「バーリング加工」を施すことで部材耐力の低下を防ぐことを考える．