地域の和と継続性、収益性を図り 肥田の農地は肥田で守る一経営体育成基盤整備事業一

摘要

肥田町は、滋賀県のシンボルとなっている 琵琶湖の東部に位置し、彦根市南部の湖東平 野を流れる宇曽川中流左岸沿いに集落を取り 囲むように水田が広がっている。その圃場は 未整備で、農業用水は全て用排水兼用の野溝 に依存してきた。水源である宇曽川に設けられた牛ヶ瀬井堰 は、昭和37年頃の宇曽川改修が実施される まで、集落総出による湧立て（土嚢による堰 き止め）をしていたが、宇曽川改修の補償エ 事としてポンプ施設が設置された。しかしこ のポンプ場も老朽化によって年々故障の度合 いが多くなり修理では対応できない状態に なってきた。このため、平成11年5月にポンプの更新 についての検討が始まった。当地区は、湖東 平野を走るJR琵琶湖線の電車の音が圃場ー 帯にこだまし、集落が稲枝駅から約1km程 度の距離にあり、県内や京都方面までの通勤 距離圏で、昭和30年代の高度経済成長の頃 からほぼ全戸が第2種兼業農家となった。そ して耕作者の高齢化と後継者の農業離れが起 き、駅の近郊から農地の宅地化が進んだ。