10年前と言えば,私はカリフォルニア大学サンディエゴ校で蛍光イメージングの開発研究を行っていた.諸事情があって,1回の蛍光イメージング実験で使用するメモリーがキロバイトまでと限られた時期があった.画像データは保存できなかった.画面上でROI(region of interest)を指定し,その領域内の蛍光強度値を経l朋的に記録することしかできなかった.仕方なく,画面をにらみながら紺胞の変化を筆録した.しかし画像なくしては,興味深い現象の発見も他人の認知を得るに至らない.悔しい思いをした.酔情が改善されて画像が保存できるようになっても,データは5インチ2DDフロッピーディスク注1を使って移軌させていたから,1実験で使用したメモリーは数百キロバイト以下だったはずだ.CCDカメラのどこングを上げて解像度を落としたり,収得する画像の領域を絞りこんだりしてメモリーをかせぎ,その分画像の取得枚数を増やしていた.私の10年前はいささか特殊だとは思うが,現状と比校するに,やはり当時のコンピュータでできる一般的蛍光イメージングには限界があった.
展开▼