オートファジーによるタンパク質代謝の生理学的意義

摘要

マクロオートファジーはリソソームを分解の場とする原則として非選択的な分解系である．近年その多彩な機能が次々に明らかにされつつある．しかし，出芽酵母から高等動植物に至るまで共通している機能は，日常的な細胞内代謝回転と，飢餓応答としての過剰な細胞質分解である．本稿では，このオートファジーの基本的な役割について，様々なモデル生物での最近の知見を紹介し，さらにオートファジーによるタンパク質代謝の制御機構，飢餓応答としてのタンパク質分解の意義について概説する．