糖尿病領域におけるレプチンの臨床応用

摘要

脂肪組織より分泌されるレプチンは，強力な摂食抑制とエネルギー消費亢進をもたらす抗肥満ホルモンとして発見されたが，レプチンはこれ以外にも様々な生理作用を有していることが報告されている．筆者らはレプチン過剰発現トランスジェニックマウスの解析によりレプチンの糖代謝改善作用を明らかにし，2型糖尿病やインスリン分泌低下型糖尿病，脂肪萎縮性糖尿病の治療薬としてレプチンが有用であることをマウスを用いて示してきた．現在，脂肪萎縮性糖尿病に対するレプチンの臨床試験が開始されており，今後より一般的な糖尿病への臨床応用が期待される．