肥満に伴うインスリン抵抗性の関連因子研究

摘要

インスリン抵抗性は，インスリンシグナル伝達機構の過程，つまり，インスリン受容体から糖取り込みに至るいずれかの過程を抑制することにより引き起こされる．これには，肥満により肥大した脂肪細胞から分泌されるTNF-αや遊離脂肪酸（FFA）や，細胞内に存在するmTOR やPTEN，PTP1Bがインスリンシグナルを負に調節することが原因とされている．また，糖尿病，脂質代謝異常の原因として，インスリン濃度により転写レベルで様々な因子の遺伝子発現調節の関与が重要であり，生活習慣病の発症機構を解明するために今後の研究が期待されている．