嗅覚研究からわかった7回膜貫通型タンパク質の新規機能

摘要

日放環境に存在する数十万種類もの匂い物質は，鼻腔内の嗅神経細胞に発現する嗅覚受容体によって受容される．嗅覚受容体は，線虫からと卜まで多様な種の生物で多重遺伝子群として同定されており，現在，ショウジョウバエヤマウスなどのモデル生物を中心に盛んに機能解析が行われている．嗅覚受容体は7回膜貫通型タンパク質で，匂い物質と結合するとGタンパク質に共役して信号を伝達する．嗅覚受容体は，このように匂いセンサーとしての機能を持つだけかと思われていたが，軸索投射や膜移行など，匂い受容以外の生理機能にも関与することが最近明らかになりつつある．本稿では，嗅覚研究から明らかになった7回勝景通塾タンパク質の3つの新たな機能について紹介する．