中国雲南省謎の継続的突然死——犯人は新種の毒キノコか？

摘要

会話中に突然心停止して意識を失い，10分後には死亡するといった，日中の活動中に突然死するという事故が，中国雲南省の山村で1970年代後半より相次いでいた~(1,2))．倒れる前に吐き気，動悸，めまい，だるさなどいくつかの症状が現れるが，病因を示唆するような共通した症状はなく，老若男女を問わずこれまでおよそ400人が亡くなった．事故は6月から8月にかけての雨期に，標高1800～2800 mの地域に集中していた．何の手がかりもないため，「今年は誰の番か？」と，雨期が近づくたびに村人は戦々恐々としていた．風土病とも思われたのだが，死屍累々の状況は村の医者の手には負えず，政府に助けを求めた．