放射光低溫高圧単結晶X線回折裝置と準結晶研究ヘの応用－静水圧的高圧実験の低温領域への拡張に向けて－

摘要

最近の高圧科学は，静水虻実験技術の進歩により新たな進展を遂げているり．たとえば，ヨウ素固体は圧力を加えると分子性固体相から分子解離した相へと相転移するが，その間に，単一元素の固体でありながら不賂合変調構造をとるという奇妙な相が存在することが，最近の静水圧実験によって明らかにされた．圧力分布や非静水圧的応力によってかき消されていた現象が，静水圧性を高めることにより初めて見えるようになったのである．到達圧力を上げることが蘭圧科学の望遠鏡的発展方向とするならば，このような静水圧技術の向上は，顕微鏡的発展方向と言えるだろう．