マルチコアフォトニック結晶ファイバとそのファイバ型光デバイスへの応用

摘要

1996年，従来の光ファイバのクラッドに相当する領域に多数の空孔を三角格子状に配列したフォトニック結晶ファイバl）と呼ばれる新型の光ファイバが登場した．フォトニック結晶ファイバも，通常の光ファイバも，導波原理はいずれもコアとクラッドの屈折率の差を利用した全反射であることに変わりはないが，フォトニック結晶ファイバの場合には，空孔が存在するクラッド領域の実効的な屈折率が波長によって大きく変化し，しかもコアとクラッドの屈折率差を通常の光ファイバよりもはるかに大きくできる．このため，波長がどんなに短くなっても，また，モードフィールドがどんなに大きくなっても，単一一一モード動作させることができたり，吋視光まで含めて広帯域にわたって分散制御することができるといった通常の光ファイバではとても考えられない特異な性質が発現することになる．