可視レーザーの新しい応用一ディスプレイ?照明から植物工場まで一

摘要

可視レーザーはこれまで光ディスク応用が販売数量?額とも圧倒していた．赤色半導体レーザーを用いたDVDや青紫色半導体レーザーを用いたBDである。最近レーザーディスプレイ応用が光ディスクを凌ぐ巨大市場として大きく期待されている~(1-3))。レーザーディスプレイは，広い色再現範囲を有していることに加え，光源の高効率化により超低消費化もねらえるという特徴がある。また光源のエタンデュも小さく，ディスプレイ装置の超小型化が容易である。レーザーディスプレイは，民生用レーザーTV，携帯プロジェクタ，データプロジェクタ，ヘッドアップディスプレイというようにこの数年のうちに次々と製品化された（Fig.1）。これは要素技術が製品レベルまで達したこと，およびレーザー搭載機器が商品の性能優位性を訴求できるようになったことによる。さらに緑色半導体レーザーが発振し，量産化も始まったことで開発が加速している。一方，照明分野への応用に関しては，レーザーディスプレイ普及により低コスト化された可視レーザー光源の導入検討が始まっており特殊照明だけでなく一般照明への展開も期待されている。またその応用としてレーザー植物工場の研究開発も行われている。ここでは，可視レーザーのディスプレイおよび照明応用について，課題および将来展望を含め概観する．