中部地方北部，牛首断層中央部における断層幾何学と過去の運動像

摘要

飛騨高地北部，岐阜一富山県境に位置する年首断層の中央部地域において，地表踏査とそれに基づく構造解析を行い，構造発達史を議論した．これまで地形判読によって認識されてきた年首断層沿いには，幅250m以上の努断帯が分布しており，断層ガウジや断層角嵐　カタクレーサイトなどの脆性断層岩が北東一南西方向に連続的に分布するまた，変位地形や酒断層露頭は勇断帯の主断層沿いに位置する．この勢断帯は調査地城中央部において明瞭な屈曲構造を有し，そこでは横ずれデュープレックスが形成されている小、デュー.プレックスの幾何学や運動像，勇断面の定向分布はそれが左横ずれ運動によって形成されたことを示し，これにより本努断帯の起源は苗第三紀以前まで遡る．広域応力場や手取層群の分布などから考慮すると，本勢断帯の発生は後期白亜紀であると考えられる．これらの知見は，飛騨高地北部の括断層群の起源と発達に重要な制約を与えるけ.