オリシャ崇拝がおりなす文化接触〈アメリカ黒人〉と〈アフリカ大陸の黒人〉の相互交渉的な関係構築

摘要

本稿の目的は，同し「人種」と「抑圧（被害者）の歴史」を共有しているとされながらも，「近　 代／未開，抑圧／被抑圧」という植民地主義的な関係に位置づけられてきた〈アメリカ黒人〉と〈アフリカ大陸の黒人〉が，宗教的移動によって互いの文化に接触しながら相互交渉をおこなう，という事象を文化人類学的視点から分析することである1）。