サンゴ礁裾礁における空間構造把握のための自然地理的ユニットの設定―与論島東部サンゴ礁を例に―

摘要

近年，サンゴ樅はさまざまなノし為ストレスにさらされ，大きなダメージを受けている。 そのような現状に対して，サンゴ碓井態系が持つ高い生物多様性が，科学的価値あるいは経済的価個として再認識されてきている。 ．そのために，サンゴ礁保全の必要性が説かれ，保全を目的とした研究が盛んになってきた（中井，1998）。 ただし，それらの研究の多くは生物学的アプローチによるものであり，例えば，サンゴ礁に生息する生物の生理，種構成，生物量，種開閉係，種と生息·生育環境との関係といった対象が研究テーマとされている0　 この場合に対象となる空間スケールは101mよりミクロなスケールである。 しかし，現実の空問での地域生態系の保全を考えた場合には，101～103mのスケールで，サンゴ礁の空間構造を把掘することも必要である。 例えば，海域保護区の設定を含む持続可能な自然利用のための地域計画や，開発計画に対する囁墳影響評価においては対象地域が持つ特性や降頻する地域との関係を，空間的に把捉することが不可欠だと考える。