小中学校における土砂災害防止教育に関する懇談会―土砂災害から命を守る防災教育の推進について―

摘要

日本は世界有数の地震?火山大国であり，さらに近年，地球温暖化に伴う気候変動により，豪雨やそれに伴う土砂災害が激甚化している。このような背景により，平成20年に改訂された学習指導要領では，「自然災害の防止」の学習が小学校5年生の社会で必須となった。以前と比較すると自然災害の恐ろしさを学ぶだけでなく，その防止の取り組みを学ぶことに力点が置かれるようになった。土砂災害はその主要な内容であり，砂防の取り組みは，授業内において取り上げられる時間が格段に増加する。新しい学習指導要領による教科書の使用は平成23年からであるため，それに先立ち土砂災害防止教育を推進することが重要である。本稿では，「小中学校における土砂災害防止教育に関する懇談会」　の取り組みを中心に，砂防部における土砂災害防止教育を推進する活動を紹介する。