第1次幕領期における南樺太の防備と第2次幕領期における蝦夷地防備の概要

摘要

本連載の前回（第8回）で述べたよぅに、第1次幕領期後半に、会津藩は西蝦夷地への出兵を命じられ、1808（文化5）年1月より4回に分けて千六百余名が会津若松を出発し、松前.ソゥヤ（宗谷）.リィシリ（利尻）島および南樺太に向かつた」。このぅちで、家老の北原采女を陣将とする7百余名が、4グル丨プに分かれて南樺太へ向かつた。そして同年の4月19日に、彼らは南樺太南部の要地であるクシユンコタン（久春古丹）に到着した。しかし、ロシアとの緊張状態がひとまず解消したとの幕府の判断で、会津藩は引き揚げを命じられ、南樺太に出兵した会津藩兵も、滞在3力月弱で引揚げることとなつた。彼らは千石船。