会話場面における発言の抑制が精神的健康に及ぼす影響

摘要

会話中には，自分の考えや意見をあえて伝えなかったり，どうしても伝えることができなかったりといった現象が起こる．こうした現象は，レティセンス（reticence）やシャイネス（shyness）など2のコミュニケーション回避（communication avoidance）に関する研究の中で議論されており，社会的交流を制限する不適切なコミュニケーション行動としてとらえられてきた（坂本·プリブル·キートン，1998）．しかし，発雷をしないという行動は，状況によって異なる動機や原因から生じると予想され，必ずしも不適切な行軌ばかりではない．また，動機や原因が異なれば，発雷をしないという同様の行動でも，行為者自身への精神的影響は異なるであろう．