評価精度および意思決定のための実施コストを考慮したAHPの運用に関する研究

摘要

AHP［1］とはAnalytic Hierarchy Process（階層分析法）の略称であり，1970年代からSaatyにより提唱されてきた．本研究では，「AHPを実施するためにどの程度コストが必要になるのか」といった従来行われてこなかった視点からABC（Activity－Based Costing）［2］の考え方を元に，AHPの各応用手法に対する評価を行う．その中で絶対評価法［3］に注目し，代替案を定量的なデータによって評価できるよう階層構造を工夫することによる，AHPの実施コスト低減の可能性について言及する．また，コストの評価だけで手法の良さを一概に決めることはできないため，手法の評価精度に関しても考察を行うことで，意思決定問題におけるAHPの各応用手法利用時の特性を明らかにする．