放射線照射環境下における材料物性値のその場測定

摘要

国際熱核融合実験炉計画（ITER計画）が工学設計活動 当時ょりはるかに多くの参加国を得て進展する現在，核融 合にょるエネルギ-生産の目標は新たな局面ヘ入りつつあ る.そこでは，これまで蓄積されてきた高温高密度プラズ マ挙動に関する系統的な知識の上に，燃焼プラズマの挙動 (プラズマそのもの，おょび，プラズマとプラズマ対向材料 との相互作用，熱除去など）評価と，核融合反応から生ず る中性子に関連した幅広い炉工学知識の蓄積が重要な課題 となる.この二つの課題はいずれも，核融合反応から発生 する高フラックスの放射線環境が付随した課題であるが， 現時点で先行する核分裂技術の中でも経験しなかった工学 的挑戦を突きつけている.高フラックスの放射線環境下で の工学的作業が如何に難しいものであるかは，いみじくも 福島事故にょり広く実感されることとなっている.一方で ITER計画においては，関連する課題，具体的には燃焼プ ラズマ診断?計測，放射化機器?材料取り扱い施設整備な どは先送りされる傾向が顕著であり，このままでは核分裂 システムの二の舞となることが憂慮される事態である.