3.光フアィバの熱発光特性を利用した ガンマ線照射環境下におけるその場温度計測の基礎研究

摘要

大気雰囲気おょび1273 Kまでの高温環境下において，0.16mGy/sの線量率のガンマ線を純粋溶融石英（シリ カ）コア光フアィバに照射しながら熱発光おょび光透過スペクトルをその場で測定し，光フアィバの光学的特性 に対する放射線照射誘起効果について調ベた.873 K以上において,熱発光ピークが1240 nmおょび1390 nm の波長に現れ，発光強度がガンマ線照射下においても加熱温度に対して指数関数的に増加することがわかった. 同時に行った光透過測定にょり，これらの熱発光は光フアィバのコア内に存在するSi-OH基の熱振動にょること が判明した.これらの熱発光ピーク強度に対する温度依存性を利用することにょり，温度上昇時の温度計測が可 能であるが，1273 Kの温度一定に保持した場合，発光強度は約100 hrsまでは増加し，その後は減少した.発光ス ペクトル内の黒体放射にょるブロードピークの出現おょび高分解能透過型電子顕微鏡（HR-TEM)を用いたシリ カの結晶成長の観測にょり，これらの発光強度の変化は非架橋酸素正孔センター（NBOHC)，酸素欠乏センター (ODCs)等のガンマ線照射誘起欠陥と水との反応にょるSi-OH基の生成おょび光の漏洩が要因であると考えられ る.光フアィバの熱発光特性を利用した温度計測を確立するためには，計測時間を短縮することや光フアィバの 先端を金属で被覆して大気おょび水に触れないょうに工夫する必要がある.