講座 大量トリチゥム取り扱い技術開発30年の成果と今後の課題4.トリチウム研究拠点の確保ー施設の保守·更新，人材の確保，新たな拠点建設をめざしてー

摘要

富山大学水素同位体科学研究センターおよび原子力機構トリチウムプロセス研究棟（TPL）ともに，ホット運転から25-30年が経過し，老朽化対策が必要となってきている．その中で，ホット施設の運転·保守の努力を続けており，蓄積された貴重な経験を示した．一方で，両施設の更新，新たな施設も必要とされており，富山大の施設の更新状況，六ケ所に整備を開始したトリチウム取り扱い研究施設の概要，今後原型炉に向けた研究開発において更に必要となる施設の考え方を示した．長期に亘る継続的な研究開発が必要な核融合炉研究において，人材の育成·確保に，技術の継承に，核融合炉の社会的受容性の熟成のために，トリチウム取り扱い施設が必要なことはいうまでもない．上記2つの大量トリチウム取り扱い施設を核に，日本のトリチウム施設が連携して，国内外のトリチウム研究における協力研究体制，今後の展望を議論した．