耐震壁の収縮ひび割れ誘発目地に関する実験検討

摘要

RC建築物に発生する有害なひび割れを制御するには，ひび割れ誘発目地(以下，目地という）によりひび割れ発生を集中させる方法が有効 である。しかし，上分なひび割れ集中性能を発揮せるために必要な目地断面欠損量は部材厚さの20％ 以上が必要とされ，耐震壁などの構造 部材では断面欠損量分だけ部材厚さの割り増し(以ド，増厚と呼)が必要で大きなコスト増要因となる。本研究は，耐震壁への適用を念頭 に，従来型の台形目地に代え，よりひび割れ集中率の高いノッチ目地，並びに軀体内部に埋込み目地を設けることで構造部材の増厚を低減す る新しい目地工法を開発すべく実験検討を行った。その結果，新しい目地工法のひび割れ集中性能は従来技術よりも優れており,厚の大幅 低減の可能性を見出した。