DVRへの搭載を目的としたスポーッハイライト動画像生成方式

摘要

本論文では，DVR(Digital Video Recorder）への搭載を目的とした軽量な動画像自動要約アルゴリズムを提案する。本方式では，DVRで録画されたスポーツ中継番組における重要なイベントを集約した，ハイライト形式の要約動画像を自動生成する。DVR付きSTBなどに搭載される汎用的なSoC（System on a Chip）で動作させるには標準的に装備されたメモリやCPUの制約下でDVR製品並みの処理速度を達成しなければならない。このため，本方式ではスポーツ種目に依存しない低レベルの音響?動画像特徴量を簡易な処理で抽出し更にこれらを時空間的に縮減して解析することによって，アルゴリズム全体の軽量化を図り，汎用的なSoCにおいてDVR製品レベルの処理速度を実現する。また，様々なスポーツ種目へ適用できるアルゴリズム共通化の観点からも，標準的な装置構成での実装を達成する。提案方式では「対人競技」に分類されるスポーツのうち，攻守に伴うイベントが低密度で分散し，かつポピュラーな種目である野球とサッカーを対象として共通化を図った。スポーッ中継番組を用いた検証実験において，処理負荷とメモリ使用量の観点から実用的なレベルを達成し，種目依存の方式やDVR製品の方式との比較において，同等以上の精度を得られることが確認できた。