わかりやすいチューブハイドロフォーミング(8)：チューブハイドロフォーミングの自動車への適用

摘要

チューブハイドロフォーミング（以下THFと記す）は自動車部品において，「軽量化」と「コスト」を両立させる生産技術としてその適用が拡大している．THFは，従来の管材に内圧を加えて管を軸方向·円周方向に変形させるバルジ加工に，曲げ加工·つぶし加工·スウェージ加工などを必要に応じて施す複合成形技術として認知され，自動車部品としては1980年代後半から欧米で適用されるようになった．当初は非量産車に適用されたが，1990年代に入り量産車に使用されるようになり，1994～2002年にかけて世界鉄鋼協会（IISI）が行ったULSAB（超軽量鋼製自動車車体）プロジェクトおよびこれに続くULSAS，ULSAC，ULSAB－AVCの各プロジェクトでTHFが自動車の軽量化への有効な工法として提案されたのに機を合わせるように急増し，2015年には2000年の9倍の2，800万ユーロの市場に拡大すると予測する調査会社もある．本講義では自動車部品におけるTHF技術の適用の実状と今後の課題について説明する．