部門活動：先端融合部門

摘要

新しい部門制の発足と同時に,新設された部門であり，SICEの従来の部会·研究会のワクにとらわれない新しい形態·分野の部会·研究会や，将来のSICEを担う分野の芽となるような試行段階での研究会を推奨している。 これにより当部門が,SICEの活性化の核となることを目指している。 ①都市防災システム部会報告防災問題には,災害予知,耐災害設計，救助,防災情報,災害復興など,技術問題から社会心理学的問題まで，きわめて幅広い問題が存在する.したがって，防災問題を論じるためには,可能な限り多様な専門家による議論が必要であり,その中から本学会の専門領域と重なりをもつテーマに絞っていく必要がある。 こうした考えに基づき，本部会では前身の研究会時代から,大学,企業，および行政の各機関に働きかけ，防災問題へのアプローチの仕方をシンポジウムの形で探ってきた。 これまで3回のシンポジウムの内容は,最初が大学におけるSICE会員を中心とした防災関連研究について,2回目は企業における防災関連の事業，研究等に関する現状発表,3回目は地方自治体および防衛庁の防災関連担当者による行政の取り組みについての発表となっている名また,こうした会議の間にはIFACの国際ワークショップ，"Controlin NaturaI Disasters"が開催されるなど，海外の本分野での事情を知る契機となった。 この間,明らかとなったことは，地震災害以外の災害に対する防災の認識が必ずしも十分でないこと，防災情報システムを有効に機能させるための日常的教育や訓練の重要性，ロボットやセンシング技術などの救助活動への応用の可能性,などである。 また，防災に対して都市構造のデザインなどは予防という意味で重要なテーマとなるが，システムの信信頼性解析やシミュレーション技術などの観点からの貢献がSICEのカーする分野からも可能であり重要と考えられる。 以上のような,過去の経緯を踏まえて，防災教育システム,防災シミュレーション，環境システム，信頼性,システム最適化といったようにテーマを絞り，防災技術の活性化を目標に部会活動を展開する予定である。