質量：電子天びんを用いた標準分銅の質量校正

摘要

高分解能な電子天びんを活用し，相対的に1.5×10~（-7）より良い拡張不確かさで標準分銅の質量校正を実施するための質量の比較手順，分銅の特性評価に閲し事例を紹介した。 測定環境を整備し比較手順を工夫すると，電子天びんの最小表示程度の標準偏差で質量差を評価することが可能になる。また，電子天びんは荷重を検出することから，質量校正において空気の浮力や磁力の影響を受ける。 しかし，この特徴を逆に利用し，高精度な分銅の質量校正の際に必要な特性である体積や磁性を評価することも可能である．なお、頁数の制限のため省略したが，計量上要求される分銅の特性として，質量の安定性に係わる表面租さについても，個々の分銅について評価を行っている。高性能な電子天びんとそれを有効に活用する技術が正しく普及し，質量計測の信頼性向上が産業界や科学技術の発展に広く貢献することを期待したい．