最近の分析法の進歩とセラミックス：固体NMRの最近の測定技術とセラミックス評価への応用

摘要

固体NMR法の最近の現状の一端を紹介した．固体無機材料では，最近の高磁場を用いるNMRを利用すると，分解能，感度の向上に加えて，実用測定対象の増加が期待できる．今後，超高磁場の固体装置開発が実現すると，従来困難であった材料でNMR解析が可能になると思われる．また，ナノ粒子など，より低濃度試料（100ppm以下）や，四極子結合定数の非常に大きな核種（Ti，Cl，S等）にもその適用が可能となり，他の手法からは構造情報が得難いだけに，セラミックス材料の新規構造解析法としての発展に期待できる．