セラミックスアーカイブズ：偏向ヨーク用フェライトコア（1953年～現在）

摘要

今やFPDに取って代わられようとしているが，数年前まではTVやモニターはブラウン管方式が主流だった．そのブラウン管に必ず付いているのが偏向ヨークである．ブラウン管の電子銃から出された電子ビームは，偏向ヨークで作られた磁界の中を通ることで所定量だけ偏向され，蛍光面に到達する．偏向ヨークにフェライトコアを用いることで，磁界を作るための磁束は効率的に，かつ正確に発生する．高抵抗率，低磁歪，低価格，そのほか要求されるキュリー温度や飽和磁束密度，コアロスなどから一般的にはMn-Mg-Zn系のフェライトが用いられている．ブラウン管方式の減少により，偏向ヨーク用コアの生産量も年々減少しているが，その表示能力とコストパフォーマンスの高さから，今後も継続して生産されていくことは間違いない．