見えない主役達のプロフィール

摘要

文字通り，透明導電体とは，透明であり，かつ，良く電気を導く材料である。一般的な教科書には，バンドギャップがなく自由電子が存在し，通常は，温度が上がると電気抵抗が上がる物質が「金属」，ほどほど里バンドギャップを持ち，温度が上がると電気抵抗が下がる物質が「半導体」，そして，かなり大きなバンドギャップを持ち，ちょっとやそっとでは電気を流さないのが「絶縁体」とされる。 「ほどほど」と「かなり」の間の明確な定義はない。 いずれにせよ，後に詳しく説明するとおり，透明導電体とは，本質的には，絶縁体であるべき物質でありながら，金属のように電気を流すという矛盾に満ちた材料である。その矛盾に満ちた例外的な材料が，現在の工丁社会を支える，見えない主役，透明導電体である。