XII.ポリキャピラリー型平行光学系を用いたⅩ線画折法

摘要

Ⅹ線回折法は物質を化合物の形態で分別できる特徴がぁり，広く工業分野で活用されている．しかし，一般的に用いられている集中法光系の場合，測定対象物は，ゴニォメキタ中央部の試料台にセ′らトできる粉末状又は平坦なプレート状の試料片に制限される．このようなサンプリングにおける制約は，試料のセッティングエラーが測定精度に大きな影響を与えるためであろ．これに対し平行光学系は集中光学系の点を改善し，Ⅹ線回折法の実用部材への活用の範囲を大幅に広げた．本稿ではポウキャピラリー平行光学系の原理と特徴について解説する．また，集中光学系とポリキャピラリー平行光学系の測定応用例として，Auのメッキ膜を用いたセッティングエラーと回折線の精度と強度の関係，ベアリング材料の鋼球中の残留オーステナイトの定量分析例，鉄鋳物の表面に発生した腐食生成断定性と定量分析例，アルミニウム鋳物中の微量添加物TiCの検出下限の測定例などを紹介する．