セラミツクス博物館（20）最終回 セラミックスの磁性と酸素多面体

摘要

磁鉄鉱やチタン鉄鉱は強磁性であり，ジルコンや赤鉄鉱は弱磁性，石英や滑石，カオリンは非磁性である。 金属磁石と並んで，セラミックス磁石は永久磁石から磁気ヘッドやモーターに使われる軟磁性磁石まで，身近な至る所に使われている。 特に，一昔前のカセットテープレコーダーやハードディスクが今では手の平に載るサイズとなり，磁気ヘッドや磁気記録媒体の技術進歩は我々の生活スタイルさえも変えようとしている。また磁石の形態にも，鋳造法で作られる金属永久磁石に対し，セラミックス系では焼結法で作られるフェライト磁石や希土類磁石、またその粉末をゴムやナイロンと混ぜ合わせたプラスチック磁石がある。 有機バインダで固めてボンド磁石と呼ばれることもある。 生産量でみると，安価な原料と量産性に優れるフェライト系磁石が全体の大部分を占めている。 またブリッジマン法で成長させたフェライト単結晶も量産され直径5cm，長さ50cm程度の大きさのものがビデオヘッド用として製造されている。