世界記録を大幅に更新した高温超電導線材

摘要

本稿では，IBAD/PLD法で作製された長尺YBCO超電導線材の作製概要，特性について紹介した。 このように，IBAD/PLD法は，高性能長尺線材の作製プロセスとして非常に優れていると言える。 YBCO線材の作製方法としては，他にも，金属有機化合物堆積（Metal Organic Deposition：MOD）法や，金属トリフルオロ酢酸（Trifluoroacetate：TFA）塩を用いたTFA-MOD法，有機金属化学気相蒸着（Metal-Organic Chemical Vapor Deposition：MOCVD）法と呼ばれる作製方法がある。 これらの作製プロセスは，非真空プロセスであることから，低コスト線材作製プロセスとして注目されており，高特性化と長尺化に向けて研究開発が行われている。 このように，YBCOに代表されるRE系超電導線材は，既存の金属系超電導線材，Bi系超電導線材に代わる次世代超電導線材としての活躍が期待されている。