高温プロセスのダイオキシン対策鉄鉱石焼結プロセスの場合

摘要

ダイオキシン類問題は，燃焼を伴う種々のプロセスにおいて環境問題の一端にすぎないという見方がある。 浮遊粒子状物質（SPM：Suspended particulate matter）や内分泌撹乱物質なども，昨今話題に上る機会が多い。 また，ダイオキシン類問題を総合的な塩素処理問題として考えるべきという意見もある。 実際，ダイオキシン類排出量削減のために排ガス処理を徹底すれば，従来大気中に放出されていた種々の物質が系内に残留する場合がある。例えば，集塵効率の上昇によって，より微細なダスト（飛灰）が捕捉されれば，その表面に吸着している塩素も補足されることになる。 このようなダスト類をそのまま循環使用すると，原料中塩素濃度は上昇し，ダイオキシン類生成量が増加するという悪循環が指摘できる。 したがって，ダスト類からの効率的な塩素除去法の開発も必要である。 また同時に，フッ素や臭素などを含めたハロゲン元素の問題として取扱い，総合的な解決法を探る研究·開発戦略も重要と考える。