金属間化合物超伝導体の発見

摘要

金属間化合物超伝導体は，1980年代までほぼ最高のT_cを持つNb_3Snが応用材料として最も多く研究され最近では、Nb_3Al合金も多くのグループにより研究されている．研究者達の間では，BCS理論によるT_cの限界値「BCSの壁」が約30K程度と一般に信じられ金属問化合物ではこれ以上高いT_cは望めないだろうと考えられていたため，研究者達の興味は銅酸化物超伝導体へと移り，金属間化合物超伝導体のT_c。 ははば頭打ちの状態であった．しかし，1991年に谷垣らが，フラーレン系化合物RbCs_2C_（60）におけるT_c＝33Kの超伝導を，2001年に我々が，T_c＝39Kという金属問化合物では最高の乙を持つMgB_2を発見し，金属間化合軌特に軽元素を含有する化合物における新超伝導体の開発に可能性が見出され再び研究者達の興味を集めている．