「金属」とアグネの思い出

摘要

「金属」の創刊当時からアグネ社のなかで夫戸波春男氏を陰で支えてこられた戸波雪枝さんは，今では昔のアグネをご存じのただ一人の方のように思います．「金属」75周年記念の特集に際して私どもが知らないアグネのお話をお聞きしようと千葉郊外の印西市のご自宅をお訪ねしました．戸波親平の略歴は印刷したのがありますからそれをご覧になって下さい（表1参照）．親平さんはなにか考えるとすぐやる人でした．その考えも5，6年どころか，なん十年も人より早くて…．あまり早すぎて損しているかもしれませんね．「アグネ」っていう会社名も今ならカタカナ会社名は氾濫していますが，75年も前ではほんとに奇抜だったですね．アグネのいわれはご存じでしょ，アリストテレス，ガリレオ，ニュートン，アインシュタインの頭文字でAGNE，みんな有名ですから。 親平さんは「金属」を出す前は大阪高等工業（現在の大阪大学）の教授で，春雄とは年が2回り以上も違っていましたから，兄弟というよりか親子のようでした．実際に母が早く亡くなったので親平さんが親代わりで，それに春雄が大阪高等工業に入学しましたから，学校では兄の親平さんが先生でもありました。 。 。