準結晶入門

摘要

準結晶(quasicrystal)の発見は,1984年シェヒトマン(Shechtman)が正二十面体対称性をもつ回折図形をAl－Mn合金で観測したことに始まる.この相はメルトクエンチ法で作られた合金中に見出された準安定相であったが,その後,Al－Cu－Feのように熱力学的に安定な準結晶も存在することがわかった.準結晶という概念が確立されると,今まで同定不可能だったいくつかの金属間化合物層が準結晶相だったことも示された.