亜鉛のリサイクル手支術

摘要

亜鉛のリサイクルについて概観した。 亜鉛製錬業は産業の空洞化や国際的な需給バランスの変化により，大きな変換の時代に突入している。 一方，リサイクルや廃棄物処理は社会的な問題として今後ますます重要性を増すであろう。 このような状況の中で，長年培ってきた重金属を取り扱う技術や，公害防止設備等のインフラを有効に活用し，廃棄物処理やリサイクルに亜鉛製錬業の活路を見出し，産業として存続することは，単に一産業界の問題だけではなく，我が国における廃棄物処理の担い手としてその存在意義は大きい。 絶え間のないコストダウンや技術開発が事業存続の技術面でのキーであることにかわりはない。 本稿で紹介した溶融飛灰からの亜鉛回収技術の開発は金属鉱業事業団の委託業務の結果得られた成果であることを記し，ここに謝意を表する次第である。