海産植物プランクトンPorphyridium sp.が産生する多糖類の生物活性と多糖類産生に及ぼす製鋼スラグの添加効果

摘要

単細胞紅藻Porphyridium sp.は細胞外に多量の多糖を分泌した。 培養液へのある濃度のスラグの添加は多糖の産生量を増やした。 スラグ添加による多糖の性状に変化は認められなかった。 Porphyridium sp.が産生する多糖は中性多糖と硫酸化された酸性多糖からなっていた。 酸性多糖は分子量200万以上で，水に溶かすと強い粘性を与えた。 酸性多糖の構成糖はキシロース，ガラクトース，グルコースが2：1：1の比率からなり，これまで報告されているPorphyridiales目に属する藻頬が産生する酸性多糖の構成糖とは異なっていた。 この多糖はマウスを用いた実験で抗腫瘍活性を示したが，活性発現には適正な投与濃度があることが判明した。多糖は弱いながらもマイトジュン活性を有しており，これが抗腫瘍活性と関わりがあると考えられた。