海水環境における窒素添加ステンレス鋼の局部腐食特性に及ぼす合金元素の影響とすき間腐食の発生評価

摘要

Nがを添加したステンレス鋼の耐局部腐食性向上に及ぼすCr, MoおよびNの効果について検討した結乳以下のことがわかった。 (1)Cr，Mo，Nはそれぞれ耐孔食性を向上させる。 MoとNは孔食抑制に対して相乗効果が認められ，Moが添加されているステンレス鋼ではNの効果が願著であった。 （2）Cr，Mo，Nはそれぞれ耐すき間腐食性を向上させる。 海水環境を模擬したすき間腐食試験では，CrやMoの添加効果がより明瞭に現れた。 また，Nを多量添加することででCrとMoの増量を節減した高耐食材料創製の指針が得られた。 （3）Crは活性溶解ピーク電流および不働態保持電流を低芥させる。 Moは活性溶解電流を低下させる効果がある。一方，Nは活性溶解ピーク電流にほ－とんど影響を及ぼさなかった。 酸素の還元反応速度に対しては各元素の効果が認めらねなかった。 （4）自然海水での電位の貴化現象を考慮したすき同席食の発生評価を電気化学的に行った。N添加鋼では本法により得られるすき間腐食電位が，定電位法のそれと比べてより貴な値を示した。 これは表面状態あるいはすき閣内溶液の状態の遠いによるものであると推察された。