新型の上下流型水篩装置による微粒子の高精度分級

摘要

最近，液体中のスラリー粒子に静電場を印加することによる粒子分離操作への利用が試みられている。前報では従来の水平流型の水篩装置において，分離径を1μm以下にするのに長時間を要する問題点を解決す声ために，流れと直交方向に外部から直流電場を印加した新型の水篩装置を試作し，その特性を性能評価した結果を解説した。その結果，比較的に小型の装置でも液中において静電場を印加することで1μm近くの分級が可能となったが，粗大な粒子が装置底部に堆積するために，長時間操作においては定期的に底部に堆積した粒子を除去する操作が必要との課題が残されていた。この問題を解決するために，ここでは新しく垂直流型の電場印加可能な水篩分級装置を試作してその粒子分離特性を評価した結果を記す。新しく試作した装置は垂直流において局所的に静電場を利用することで高精度なサブミクロン分級を長時間連続して操作することが可能との興味ある知見を得たので解説する。